【コナン映画2026】『ハイウェイの堕天使』感想

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この記事では、映画好きの目線から今年のコナン映画『ハイウェイの堕天使』を語っていきます。

結論から言うと、今年も面白かったです!

でも、細かいところで減点した上で、「推し(千速)が主役だから+100000000点!」みたいな部分は否めなかった。
ベタ褒めから辛口な批評まで、思いっきりぶっちゃけていきたいと思います。

⚠️ガンガンネタバレします!※犯人のネタバレを含みます。

必ず鑑賞後に読んでください。
評判見て迷っている人はオタクの感想なんかアテにせず観にいきましょう。

今年は人を選ぶ内容ですが、エンタメとして最低限のクオリティは保証されてます。
ハードルを上げすぎず観に行ってほしい。

目次

名探偵コナンに対する私のスペック

  • 原作は最新刊まで読了済み
  • アニメは追ってない(千速関係だと『揺れる警視庁』は視聴済)
  • スピンオフは警察学校編とゼロティーは読了済み。犯沢さんは最近揃えたのでこれから履修します
  • 『まじっく快斗』5巻まで読了済
  • ミステリは好きだがコナンは“殺人ラブコメ”として読んでいる(公式カプ好き)
  • 映画をまともに観るようになったは『から紅の恋歌』以降。それ以前の作品は内容あやふや。劇場で毎年観るようになったのは『ゼロの執行人以降』※
  • ここ数年でとくに好きな劇場版は『ハロウィンの花嫁』。構成と劇伴が好き。
  • 脚本と監督に言及できるほど詳しくない
  • 推しはベルモット、千速、キュラソー(わかりやすすぎる)

※映画の出来関係ないです。大人になり映画館に行くことが増え、“子どもの頃からなんとなく見ていた”状態を卒業したのがちょうどこの時期でした。

“原作周りはだいたいわかるけどオタクほど詳しくない”感じです。

萩原千速が主役のアクション映画

良くも悪くもこれに尽きる。

激メロお姉様が白バイで駆け回るアクション・ムービーとして観ると本当に楽しい。
刺さった、と言ってる人は必ずと言っていいほどこのような話をしています。

個人的にはこの方向性でもっと振り切れてもよかったと思います。
千速は、優秀なのに無茶もする白バイ隊員で刑事とのロマンスもあるよ……というアクション映画なら主人公でもおかしくない華やかなキャラクターなので。
もう1人の主人公として、千速と容疑者達の因縁や共通点、重悟とのロマンスにもっと尺を割いたら映画として綺麗にまとまっただろうな。

とくに、今作の容疑者達は全員バイクに関連しており、千速とリンクする部分も多いです。
千速の先輩である浅葱は、部屋にある白バイ大会の盾等からバイク乗りのライバルであることが察せられて美味しかったのですが、それなら大前や龍里にも千速と関連付ける描写が同じくらい欲しかったです。
大前が開発資金など待遇に苦しんだり、序盤のエンジェル試運転で千速のデータにもっと興味を示すカットがあったら、“浅葱をダシにして千速のデータを取りたかった”という説明がもっと自然になったと思います。

龍里と佐々木の関係は仄めかした時点で動機が割れてしまうので終盤まで伏せたかったのだと思いますが、龍里もルシファー候補ではあったのでミスリードのように描くこともできたのではないでしょうか。
序盤で一度龍里の回想or写真を出し、後ろに乗せていた誰かとの間に幸せな思い出があったと仄めかしておいたら、千速の回想ともリンクして“弟を失った姉の話”というテーマを強く打ち出せたのにもったいね〜と思いました。
ルシファーの乗り手が浅葱であることは(アリバイで撹乱されたものの)わかりやすかったので、龍里にもルシファーになりうる動機らしきものがありそうだと提示しても終盤のタネ明かしには問題なかったのでは。

この辺を駆け足で終わらせてしまったことに関しては、千速が萩原研二の姉であることと優秀なバイク乗りであるという属性だけでショートカットしてしまった感じが否めません。
むしろここはショートカットに使うのではなく、千速とリンクさせてしっかり描くところでしょうが。

話の方向性は刺さったのですが、千速を中心にもっと濃いめの味付けにしたほうがより美味しかったのでは?と惜しい気持ちもあります。

謎解き部分について

犯人当てがしたい人には物足りないだろうな。

ヒントがわかりやすく容疑者が絞りやすいのと、実質的な犯人が複数いるのもあって、犯人当てクイズとして楽しんでいる人からしたら消化不良に終わってしまうのでは。

毎年やっているミステリアニメ映画としては、犯人複数&ゲスト声優も犯人というのもたまには良いのかな?と思いますが。

バイクで千速と張り合えそうな人間→浅葱
エンジェルの開発データを流用できそうな人間→大前
作中で怪しい行動が目立つ→龍里

ルシファーがバイク乗りなんだから最有力容疑者は浅葱に決まってるんですよね。そこもわかりやすい。
一応、浅葱のアリバイや自動運転システム、バイク運転のセンスがある龍里の存在で容疑者を絞りきれないようにしましたって感じ。

全てのピースが揃ってから一気に謎解きをするのではなく、アクションシーンの繋ぎとして真相を小出しにしていくという、探偵モノの様式美を無視した謎解きが展開される点も人を選ぶと思います

推理要素のあるアクション映画って感じ。

アクションについて

カット割りやカメラワークにおいて、安定を取ったのかな?という印象。(素人の意見なので話半分に聞いてほしい)

  • ここはヒキで欲しかったな〜という場面(蘭がルシファーに蹴りを入れて止める場面とか)でアップになっている
  • エンジェルお披露目時はテストコース上での試運転とはいえもっと派手で疾走感のあるアニメーションでも良かったのでは

このように、少し「ん?」となる箇所もありました。素人の感想ですが。

ただ、白バイをあれだけ軽やかに動かすアクションは実写でやるとかなり大変(ワイヤーとVFXをめちゃくちゃ使うことになる)だと思います。アニメでやること自体に意味がある。(名探偵コナンでやらないといけない理由ある?って言われたらまぁ困るんですけど)

あと、みんな言っていますが、アクションシーンとの緩急を付けるためか、序盤〜中盤の会話シーンを中心に若干間を取りすぎているというか……テンポ悪く感じました。(阿笠博士のセリフとかすごいわかりやすい)
通常のシーンを基準に、アクションシーンのギアを上げていったらもっとアクションムービーとして映えたと思います。
そのかわり、ミステリを求めてる人から「こんなんコナンじゃねぇ!」という意見も出るだろうけど。

劇場版名探偵コナンはGW映画としてみんなでワイワイ楽しめる作品という役割もあるので、アクションやサスペンス寄りになるのも悪くないなって個人的には思ってます。

『名探偵コナン』として

萩原千速という本筋とは関係ないところで派生したキャラを主役にしたためスピンオフのような色が濃くなってしまうところを、コナン映画の様式美でなんとかまとめ上げている、って感じ。

コナンと千速のダブル主人公!ってくらい振り切れた方が映画としては綺麗だったのかもしれませんが、多彩なレギュラーキャラが活躍するのがコナンの魅力でもあるし。難しいところです。

千速に関連するキャラだと弟の同期である降谷や、原作で捜査協力したことがある佐藤・高木がいるのですが、昨年に続いて警察官の話にならないよう、この辺りの出番はカットしたのかな?と思います。重悟の活躍が刑事というより、千速の恋の相手としての立ち回りに偏っていたのもこれが理由なのでしょうか。
萩原と松田の描写の仕方からも、今作は“萩原千速”という姉の物語である、というのが窺えました。

今作で目立った活躍をしたなかで個人的に良かったな〜と思ったのは真純かな。
バイク乗りとしてアクロバティックな立ち回りもするという点で千速と似たところがあるのですが、きちんと差別化されていました。高校生探偵として私的な捜査をしたり、得意の截拳道で戦闘をこなしたり。コナンとの連携も見事でした。

また、細かいけれど気になった点として、Cパートにちょっとがっかりしました。
蘭が「できることから」といきなりバイクの免許を取ることはせずに、身近にある電動キックボード(LOOP?)に乗っているシーンです。
現実においてLOOPは、安全性や運営等の面から問題が指摘されている乗り物です。
蘭がバイクに以前ほど興味を示さなくなったことを描くことで原作との整合性を取るためのシーンらしいですが、それにしてもなんか他にやりようがなかったんか……⁉ 原作者考案らしいという情報も目にしましたが、それでも引っ掛かりを感じました。

初見時微妙、2回目を観たら楽しくなっていた

正直、初見時は「ん〜……なんか……微妙?」と思っていたのですが、2回目を観てからは少し解像度が上がって楽しくなってきた気がします。

初見時は、蘭達を送っていく途中で千速が突然浅葱の家に寄りたいと言い出した点に「え、今⁉」と引っかかっていたのですが、2回目で納得できました。

千速は最初から浅葱を疑っていたんですね。だから、浅葱が今もバイクに乗れる状態なのかを確認しに行った。
コナンが部屋までついてきたことに関しても、ある程度千速の想定内だったのでは。
コナンの正体を知らないものの、例の爆弾犯逮捕に貢献したということで千速はコナンをかなり信用していますからね。情報を与えたらなにかわかることが増えるかもしれない……そんな目論見もあったかもしれない。

他にも初見だと掴めなかったことも多かったのですが、複数回見ることで細かいところにも気がつくようになりました。また、ノベライズも理解の助けになっています。

それでも映画として粗が目立つなと感じる部分もありますが、つい何回も見てしまうくらいにはハマってしまったのも事実です。これは原作を読んで好きになった千速のお当番回だから、という理由が強いので、映画として良いからと言い切れないのが歯がゆいです。

4DXが最高に楽しい!

4DXだけで既に2回観てます。

バイクアクションがメインなだけあって、揺れる座席との相性がめちゃくちゃ良いです。

リミットブレイク上映と銘打たれてるだけあって、本当によく揺れます。
今作はアドレナリン全開バイクアクションムービーなので、そういうアトラクションだと割り切って初見から4DXで観るのもアリだと思います。

最近(?)また4DXのチュートリアル映像が変わったのか、カーアクションがメインのものになっています。偶然だと思いますが今作のテーマにも合致しており、上映前からテンションが上がる仕様になっていました。(2回とも客席めちゃくちゃ湧いてた)

買ってよかったノベライズ

映画は雑に感じたという人にこそ、ぜひ読んでほしい。

千速が墓参りのために休暇を取った日や、裏レースを調査する真純の詳細が描かれています。他、映画では端折られてしまったセリフや千速の腕の怪我の描写等、映画ではさらっと流されてしまった部分の補足もありました。

私はバイクの車種やパーツの名称、神奈川の地理に明るくないので、ノベライズでそれらが文章で説明されることで、映画の内容を理解する助けになりました。

映画だけでは裏レースの会場が川崎港だとわからなかったため、終盤にベイブリッジと羽田の位置関係に戸惑っていたのですが、ノベライズで確認してようやく腑に落ちたので……。横浜周辺の地理が頭に入っている人なら背景を見るだけでわかったんでしょうか。

アクション映画って何が起きてるかわかりにくくて苦手!という方はノベライズで楽しむのも手だと思います。

入場者特典の話

なんと、今年は“ファン感謝企画”として入場者特典があります。

上映後に表示されるQRコードから音声認識を通じて、鑑賞記念になる特典画像を配布する、というもの。
鑑賞日と鑑賞回数が入るため、鑑賞の記念はもちろん、複数回観ているガチ勢にも嬉しい画像配布となっています。

SNSの個人アカウントであればシェアOKとのこと。

私は既に6回ほど観ており毎回欠かさずDLしているのですが、集まった画像を眺めているだけで「こんなに観てるんだ」と感慨深い気持ちになれて楽しいです。

コナン映画は入場者特典を配らないことで有名※ですが、今回はこのような形で実質的な入場者特典を配るという試みをしています。※再上映等、一部のイベントでは配布物がありました

上手いな、と個人的には思いました。

まず、データ配布のため劇場スタッフの負担が減ること。コナンほどの規模の作品で配布物があると管理が大変なうえ、入場も時間がかかってしまいますからね。また、端末の不具合等で受け取れなかった人にも、公式サイトから半券をアップすることでDLが可能という救済が用意されているのもGood。

配布画像に日付と鑑賞回数が入ることで、劇場に足を運んだ人が思い出として持ち帰れるものになっているのも素敵ですね。複数回観た人も毎回DLする旨みが生まれるのも良いな、と思います。キンプリのようにリピーター前提のすべての映画でやってほしい。

さらに、SNSへのアップロードが許可されているのも優しい。
鑑賞の記念アイテムなのでシェアされても問題ない、ということなんですかね。
実際、ガチ勢の「〇回観たよ」という報告はSNSの盛り上がりの一端を担っている印象がありますし。

コナンは毎年ファンの間で映画にちなんだワードを使って“鑑賞済み”を言い表すのがお決まりになっていますが、今年は公式から「羽捕る」というワードが提示されました。(辞書登録しないと一発変換できない&公式から決められると冷めるといった理由で自分はあまり使わないのですが)

このことからも、たくさん観て感想を呟いて盛り上げるファンの存在を公式が認識していることがわかります。
今回の画像配布は、そうしたファンの動きを信頼して生まれたものなのかな、と考えています。(だから“ファン感謝企画”なのかも)

もし来年以降も同じような配布企画をやるのであれば、ぜひ鑑賞した劇場名も任意で入れられるようになると嬉しいですね……!IMAXや4DX等、様々な上映形態があるので複数の映画館を訪れるファンも少なくないからね。
ただ、SNSシェアの際に生活圏がバレるリスクもあるので、あくまでも任意で入れられたらな、と思います。

まとめ

映画としての完成度よりもGW映画としてのアトラクション性を優先した仕上がり。

ミステリや映画としての完成度よりも、お当番キャラの強さと画面の派手さ・カッコよさを重視したつくりは『紺青の拳』に近い気がします。
前年の『隻眼の残像』とは真逆なので、去年の方が良かった・好みだったという意見が多く上がるのも当然だと思います。

個人的には完成度だと『隻眼』の方が上だと思いますが、好みでいえば『ハイウェイ』が好きです。
『隻眼』は面白いんですけど渋すぎるかなって。そこが良い!という意見もめちゃくちゃわかるので、これはもう好みによるなって感じ。
『ハイウェイ』は映画としては惜しいところも多いのですが、アクション映画に求める栄養素(爆発、カーアクション)はちゃんとあるので“粗は目立つけど楽しい”です。

カッコいいお姉様がバイクで派手に大暴れするというだけで好きになっちゃうもん。
我ながらチョロすぎるけど仕方ないね。

この記事を最後まで読んだということは既に鑑賞済みかと思われます。
「面白かった!」という方も、「今年はあんまり」という方も、この感想を見て何か思うところがあれば嬉しいです。

そして、今作をきっかけに千速を好きになったよ、気になったよ、という方がいたらぜひ、原作も読んでください。101巻から登場します。また、彼女の活躍をまとめたセレクションもあります。千速お姉様はいいぞ。

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