あなたは、“サメ映画”と聞いてどんな映画を思い浮かべますか?
サメ映画を全く見てこなかった私は、“サメが人々を襲う映画”というふんわりとしたイメージしかありませんでした。
そして、インド映画『デーヴァラ』もサメ映画です。初めて触れるサメ映画がまさかのインド映画経由とは。我ながらびっくりです。このようなふんわりとした認識で臨んだ、初めてのサメ映画。
NTR Jr.がサメだった。
これだけでなんとなく察した方は、こんな記事は閉じて最寄りの上映館へGO。
私は運良く舞台挨拶で一足先に鑑賞できたので、イベントの感想も交えて高まった感情を綴っていきたいと思います。
NTR Jr.最新作『デーヴァラ』(Devara)とは
個人的な見どころ
ワクワクする設定
曰くのありそうな海沿いの村、海中に刺さっている数多の白骨死体、武器の密輸に加担する村人達、武器を神と崇める民、サメのように生きた親子の血塗られた伝説……主演の登場までに面白そうな設定がわんさか出てきます。
これらの要素に「お?」と惹かれるものを感じた人にはぜひ観ていただきたい。
主演のー人二役
タラクさんの圧倒的表現力で魅せられる、父と子の物語。
親子でありながら全く違う性格&戦闘スタイルの演じ分けにも注目です。
一人二役の親子役だからこそ映える展開もちゃんとご用意されています。
親子の関係性はおそらく2で掘り下げるのかな?
父親役を演じるにあたって私生活で親になったことについて触れていたので、その経験が活かされる展開もあるのかな〜と期待しています。
密輸シーンのスリル
海上で荷降ろしを行う場面では、なるべく事を荒立てずに仕事を完遂するまでの緊張感が印象的。
こうした“静”の見せ場があることで、その後の派手な流血を伴う大立ち回りがより鮮烈に感じられました。
テルグ映画らしいアクション
テルグ映画特有のド派手なアクション&バイオレンスに魅せられた私、大歓喜。
「そうそうこれだよコレコレコレ!」
スローモーションやこだわり抜かれた構図がこれでもかと血なまぐさいシーンを美しく、そして最高にカッコよく魅せてくれました。
振り上げられた鎌と宙を舞う血飛沫と空に浮かぶ三日月がリンクして円を描く一連の流れ、優勝すぎる。天才か?
スタッフを調べたら、テルグ映画をはじめとするインドの大作に携わってきた方々のお名前が並んでおり、そりゃ知っている味がするわけだ、と納得しました。(パンフレットで確認できます)
NTR Jr.とは
インド映画におけるトップスターのひとり。みんな大好き『RRR』のビーム役でお馴染み。
私は愛称である「タラクさん」と呼んでいます。
特筆すべきはやはりダンス。舞台挨拶でも披露していましたが、素人目からでもガチで上手いのがわかります。
ちなみに、有名なナートゥはこちら。
もちろん『デーヴァラ』でもキレッキレのダンスが楽しめます。
音楽や振付を手掛けたスタッフも超豪華。(並んでいる名前を見てびっくりした)
アクションに負けない見せ場としてもめちゃくちゃ力が入っているのを感じました。
コラターラ・シヴァ監督とは

はじめましての監督さんだと思っていたら、『ブリンダーヴァナム』の脚本を手がけている方でした。めちゃくちゃ知ってたわ。
『ブリンダーヴァナム』もタラクさんの主演作です。ラブコメ&ファミリー映画で、『デーヴァラ』よりもだいぶ明るい作風だと思います。1年程前に劇場公開されましたが、現状観る手段がなさそう……?と思ったら、新文芸坐で再上映があるようです。
監督としての過去作だと、『ミルチ』(主演:プラバース)があります。私はまだ観てないのですが、タイトルは聞いたことがありますね。機会があったら観たい作品のひとつです。
舞台挨拶での穏やかそうなお人柄を見たときは、『ブリンダーヴァナム』を書いた方なのわかるかも〜とニコニコしてたのですが、その後『デーヴァラ』を見て「これを???あのお方が???」とギャップでひっくり返りました。
クリエイターってこういうことがあるからおもしろい。
鑑賞前に色々知りたい人へ
- 暴力描写ってどの程度?
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映倫区分ではPG12判定(だったはず)。ただし最初から最後までたっぷり暴力&流血なので、血なまぐささ的にはR-15相当かな……という気がします。予告を見てダメそうならお勧めしません。
- サメ映画って聞いたけど?
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サメというモチーフをあらゆるアプローチでじっくり描いている印象。
ここぞ!というシーンではサメに乗って暴れまくる主人公が見れます。純粋なサメ量では物足りないかもしれませんが、ある意味ずっとサメはいた。そんな映画。
私はサメ映画をほとんど見ないため、サメ映画としてどうかという評価はできません。悪しからず。 - 踊る?
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もちろん踊ります。そりゃあ主演:NTR Jr.ですからね。
ダンスシーンは2〜3回程度。祭礼、結婚式、ラブシーンとバランスよし。
※私が観たIMAX版では一部のダンスシーンがカットされているとの情報あり。 - 動物や子どもが死ぬ描写はある?
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ありません。せいぜい死んだサメが引きずられてくる程度。ただし、無辜の村人(青年)が殺される描写はあります。話の展開上、必要なのでしかたない。
- 女性が活躍する要素はある?
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なし。良くも悪くも守られてるなって感じ。父と子という主題がブレるのでこれでいいと思います。
戦うヒロインやシスターフッド的なものを求める人には向かないと思います。 - ヒロインはどんなキャラ?
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戦わないので、足手まといになるような描写はないです。ただしクセが強い性格。
後半から登場するため、掘り下げはまだまだこれからといった印象。続編でなにかある可能性は否定できません。 - これ単体で楽しめる?
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楽しめます!続き物の1作目なので、予備知識は不要。3時間という長丁場+続き物ということで、初見のハードルを上げまくっている気がしますが、それに見合うだけのパワーはあります。
続き物ですが、あまり話を引っ張っている印象はありませんでした。
序盤で提示された謎の種明かしやどんでん返しもあります。それを踏まえて、「ここからどうするの!?」って感じの終わり方でした。完結しないものの、満足感は高いです。
最後に
『デーヴァラ』、面白いか面白くないかで言えば圧倒的に面白いです!
NTR Jr. やテルグ映画が好きな人はもちろん、青年漫画的なものが好きな人にも向いてるんじゃないかな〜と思います。(かなりバイオレンスなので少年漫画ほど万人向けな印象はないですね)
3/28から公開です!インド映画の上映期間はだいたい儚い命なので、確実に見られるのは2〜3週間程度でしょうか。
クチコミ等で伸びればもっと長く観られるかも。気になる方はぜひお早めに。
私もパンフレットを読んでからおかわりしてきたいと思います!