先日、友人がキンツアをきっかけにWITHにハマってくれました。
SSSの頃からよく一緒に連番してくれているエリートで、プリパラも見てくれています。(アイドルタイムまで完走済)
とはいえ、ずっとノーマークだったWITHに今になって落ちたことに戸惑っていて面白かったので、なぜそんなことになっているのか考えてみました。
Twitterを見た感じ、同じようになってる人がめちゃくちゃ多い。なんならプリティーシリーズ完全新規の方までこれ。
この記事ではタイトル通り、キンツアからWITHを好きになるのは全然おかしいことじゃないから気にしなくていいぜ!という話をします。
※すべてのダンプリのオタクやエリートがこうではありません。この記事は個人の主観で書かれています。
WITHって何?キンプリとはどういう関係?
『KING OF PRISM』(キンプリ)は元々、『プリティーリズム』(プリリズ)という女児向けアニメシリーズのスピンオフ作品として立ち上がったシリーズです。プリリズにしがみつく大人たちの執念で生まれたため、女児向け販促アニメの縛りから解き放たれました。(そして生まれたのがアレ)
そして、女児向けアニメとして『プリティーリズム』の後継となるシリーズが『プリパラ』です。
作風もガラッと変わっており、ストーリーやキャラクターにプリリズと直接的な繋がりはありません。
その4作目、『アイドルタイムプリパラ』から登場する男子アイドルチームがWITHです。
WITHが見たいだけなら、この『アイドルタイムプリパラ』と5作目の『アイドルランドプリパラ』から見てOK。
ただ、彼らについて詳しく知りたい!となると、アニメだけでは足りなくなってきます。
まず、プリパラを完走してもらったところで、アイドルとしてのWITHはよくわからない。
WITHが初登場するアイドルタイムプリパラでは、主人公・夢川ゆいの兄貴分としての描写が多いです。ダンプリ(男子プリパラ)やWITHはある程度完成されたものとして出てくるため、男子の物語にはあまりスポットが当たらない。
また、RL・キンプリに出てくるオバレはRLで“結成するまで”といういちばん重要な話を描いているものの、WITHはアイドルタイムプリパラを完走してもらったところでそういう話が一切ない。
おまけに、続編のアイドルランドプリパラは、アイドルタイム以前のキャラに対する掘り下げを行う尺もなく、既存アイドルに関しては過去作を見ているのが前提の作品です。
じゃあ、WITHについて知るなら何を見ればいいのか。
結成の経緯や3人が仲良くなった理由等の重要な話は、アイドルタイム完結後に開催された単独ライブや舞台、アルバム付属ドラマCD等で詳しく描かれています。少し前に、国会図書館で聴けるかも!?とバズっていたドラマCDがこれだったりします。
アニメ・ゲーム終了後の展開まで追いかけていないとその魅力を深く知ることができない……というのが、WITHが埋もれていた理由のひとつであると私は考えています。
これまで世界に見つからなかった理由
キンプリは劇場アニメシリーズとして独立しているため、スピンオフ元であるRLを知らない人も新規として入ってきやすい。でも、WITHの展開は“プリパラ派生”としてのライブや舞台が中心のため、プリパラを知らないとまず触れる機会がない。時々キャストや作詞作曲担当者のファンが触れてくれることがありますが、プリパラから履修する必要があるので、よほど熱心な人でもない限り定着しないと思うんですよね。
つまり、キンプリほど“男子から入ろうとする人”に優しくない。
WITHはビジュアルも楽曲も男性アイドルとしてのかっこよさが詰まっているのですが、この良さがわかる人は恐らく普段女児向けアニメを見ないんですよね。
これまでWITHやダンプリまで追いかけているオタクといえば、プリパラ(プリティーシリーズ)ならなんでも見る人や男子アイドルもいいぜ!となった人、プリパラと並行して何らかの男性アイドルを推している人がほとんどではないでしょうか。
それが、(実態はどうあれ)女性向けコンテンツとして認知されているキンプリの客演枠として登場することで、普段女児向けアニメを見ない女性向けコンテンツを好む層にアプローチできた。
初登場から8年、ようやくWITHの良さをわかってもらえる層に認知されたんです。感慨深いですね。
キンプリ最新作で新規CGが披露された意味
WITH新規の皆さんが口を揃えて言うのが「スパダリのCGライブがめちゃくちゃ良かった」。
キンツアで初めて聴いた方も多いと思いますが、『スーパー・ダーリン』は6年前の楽曲です。
プリパラのアニメやゲームに登場しないため、「アイドルタイム(もしくはアドパラ)まで見たからWITHは知ってるけど、こんな曲知らない」になりがち。
新たなWITHファンを大幅に増やしたスパダリの新規CGライブですが、ずっとWITHを追いかけてきた人へのご褒美として作られたのではないか、と私は考えています。WITHのオタクですら知らない一面を魅せてくれたこのステージ、全部突然生えてきたものかというとそうでもない。
前述の通り、楽曲自体は6年前にリリースされたもの。WITHの第3章ともいえる立ち位置の楽曲です。
振り付けや演出はこれまでのライブで披露されたものを取り入れています。声優によるアドリブまで回収されているらしい。後述しますが、ダンプリは半分くらい声優コンテンツです。声優さん達の意欲と熱意とアイデアで繋がっている部分が非常に多い。
また、タツノコCG班が狂ったとしか思えないあの衣装はキンツアで突然生えてきたものですか、細かいモチーフはアイドルタイムプリパラや今まで行われたライブに関連したものが使われています。
今作で初めてWITHに出会った方は、ひらひらブラウス&ショートパンツ絶対領域で踊る可愛い系ユニットだと誤認した方もいると思いますが全然そんなことはなく。元々いたWITHのオタクですら「こんなん知らない」「三鷹と高瀬ってショートパンツ許されるんだ」と動揺しまくっていたほど。
この衣装は2次元的かつ少年的なデザインになっており、声優が着ることを想定していないはず。
プリパラの世界で生きるWITHのために誂えられた衣装なんです。たぶん。
声優と重ねて見られることも多いWITHですが、スパダリのCGはそういった背景を知らない人にも良さを感じてもらうことができました。リアルで積み重ねてきたものをキャラに還元できたことの証明だと思います。
頑張ってきた声優と、支えてきたファンへのご褒美ともいえるであろうこの新規ライブが、初めてWITHに出会った人にも刺さったのです。嬉しすぎる。
キンプリから入るとこの辺の事情はピンとこないと思うので、個人的な見解も含め、次の項目で掘り下げていきます。
ダンプリは半分くらい声優コンテンツと化している
ダンプリはキャラと中の人の距離がめちゃくちゃ近いです。
中の人達がライブや舞台を通して全身でキャラを表現しており、中の人考案の演出やアドリブでキャラクターの人物像が固められていく面白さがあります。以下の記事でも触れていますので、お時間あればぜひ。

これはプリパラ全体に言えることですが、アニメの展開が止まっていた時期はライブ等のイベントで繋いでいました。そこで積極的に前に出て盛り上げてくれたのが声優さん達だったのです。なかでもダンプリはアニメ本編の活躍が少ない分、舞台や単独ライブで世界観を広げていたため、声優さん達の頑張りによってもたらされたものがとても多いです。劇場アニメシリーズとして続いていきたキンプリとの大きな違いはここだと思います。
所詮中の人は中の人でしょ?
声優が前に出すぎるのはちょっと……。
声オタってわけじゃないんだけど……。
そのような認識は破り捨てろ。
今すぐ捨てられなくても大丈夫!そのうちわからされます。
キャラクターだけ追いかけているつもりでも、「このシーンの演出良かったな」「ここの掛け合い好きなんだよな」なんて思った部分が実は声優によるアドリブや演出によるものだった……なんてことも少なくありません。
私も声優オタクというわけではありませんが、“プリパラ”に対して真摯に向き合う中の人達に元気づけられています。感謝しかない。
もちろん、ダンプリを通して中の人達の他の活動まで追いかける方や、逆に中の人達をきっかけにダンプリやプリパラを知ってくださる方もいます。
また、キャスト同士の結束が固いためか、中の人達のラジオやSNSでも仲良くしている様子が見られます。中の人達をどこまでキャラクターと重ねて見るかは人によりますし、プリパラとしては非公式の供給もあるため線引きが難しいのですが、それらもダンプリ関連コンテンツ化していると感じます。
プリパラって見た方がいい?
ここまでくると、ダンプリを履修するためにプリパラのアニメ本編を見るのって遠回りな気がしてきませんか?
キンツアから入ったと思われる一部のご新規さんが、「アイドルタイムを見るつもりはない」という趣旨の発言をしていた……とエリートがブチギレてるのをTwitterで見かけました。
エリートがキレてるところしか見つからなかったため、本当にそんな愚かなことを言った人がいるのかわからないのですが、本当だとしたら嫌すぎる。というか命知らず。
WITHはその出自・扱い・展開どれをとってもプリパラありきで動いています。
別タイトルとしてプリリズから独立したキンプリと違い、あくまでも“プリパラ内のいちコンテンツ”です。
それはキャストからも度々「プリパラあってのダンプリ」というお話がされていることからも明らか。
WITHが活動しているダンプリは、一般的な芸能界とは違う特殊なフィールドです。ぜひ、プリパラを見て彼らが愛するダンプリのことも知ってあげてください。
なお、プリパラはいくつかシリーズがあります。
真中らぁらが神アイドルを目指す1〜3期。神アイドルになったらぁらが新人アイドル・夢川ゆいと共に新しくできたプリパラを盛り上げていく4期(アイドルタイムプリパラ)。新主人公・香田澄あまりがプリパラを通して己の黒歴史に向き合う物語が展開される5期(アイドルランドプリパラ)。
そもそもプリパラってなんぞや?という人はまず、1期の1話を見ましょう。
後付けで登場したダンプリもここで説明されたプリパラの精神に則って存在しているので。我々めんどくさいプリパラオタクとしては全部見て欲しいですが、とにかく話数が多い。(WITHが出てくるまでに余裕で100話を超えます)
ダンプリに触れるのは4期からなので、WITHが気になるだけならここから見ましょう。
1期から観ろとかいうめんどくさいオタクはいったん無視してください。
とにかくなんでもいいからプリパラを見ろ。
4期ことアイドルタイムプリパラは、上記の通り新主人公を軸にお話が進みます。(もちろんらぁらもがっつり出てきます)
女児向けというのは大抵3年で子どもの層が入れ替わるため、4年目に突入したプリパラもそれを想定して新主人公を投入しているわけです。だからアイドルタイムから見てオッケー!
そして、この新主人公・夢川ゆいは、WITHの夢川ショウゴの妹です。
WITHは出番こそ少ないですが、主人公の成長を促す存在として重要な立ち位置にいます。
とにかく、夢川兄妹のことだけでも覚えていってほしい。
WITHの今後について考える
㊗️ アルバム初回限定盤アンコールプレス!
これは勘ですが、初回限定盤の再販、これがどれだけ売れたかで次のライブ(orイベント)のキャパや今後の展開が決まる気がします。単独のキャパはもちろん、人口の増え方によっては女子含めた合同ライブにも影響が出るはず。
普段女児アニメを見ない層やキンプリだけ追いかけてる人がかなりの数流れてきてるし、“キンツアでどれだけ増えたか”が知りたいんだと思います。それを把握するためにも、初回限定盤の再販に踏み切ったのは“本気”を感じてワクワクしますね。
なんにせよ、プリパラ公式がキンツアで増えたオタクの面倒を見る気があるんだってわかって嬉しいです。
キンプリ側がしてあげられることなんて限られてますからね。過去に出たものを引っ張り出せるのはプリパラ公式しかいないんですよ。
また、今回増えたご新規さんの人口と層を考えると、ダンプリはダンプリとして独立してもいいのでは、と思います。
タイトル分けて展開を切り離すことで、独自に色々動けてご新規さんも入りやすくなるはず。
とくに、キンプリの盛り上がり方はお手本になると思います。
『プリリズ』のスピンオフでありながら(実態はどうあれ)女性向けコンテンツとして認知されていること、タイトルを分けたことでプリリズのスピンオフだと知らずに見る人が一定数いるのは大きいと思うんですよね。
ダンプリはプリパラありきなのが良いところだけど、それゆえに新しいファンが獲得しづらいのがね……。
独立したところで何やるの、とは思いますが。ライブや舞台は声優の、アニメだとタツノコプロにものすごい負担がかかるため継続してなにかやるのは難しいだろうし……。
独立する・しないに関わらず、個人的には下記はマストかな、と思います。なんで今までやらなかったの?
- 過去のライブを全てサブスク等で配信、もしくはパッケージ化する
- 未音源化曲をすべて音源化し、アルバムを出す
- ドラマCDを新しく出す
とりあえずこれだけやれば、楽曲中心コンテンツとしてプリパラは独立できると思います。
今はアニメやゲームがなくても、楽曲中心にマルチメディア展開しているコンテンツも増えてきましたし。ライブであれだけ新曲を書き下ろしてもらえてるわけだし、それを活かしてほしいな~と思います。
プリパラオタクとして見てみたいな〜と思うのはアドパラの続編や男女シャッフルユニット等なんですけどね。まだまだ謎が多い男子のことを掘り下げつつ、ひととおり描ききった女子の新たな一面も見られるので。プリパラとして面白いことができるかも、という意味でも、独立しない方がいいのかな~とも考えています。
男女の垣根を越えて友達でアイドル、というのもプリパラなら描けると思うんです。現実においては厳しいテーマだからこそ、プリパラは向き合ってくれるんじゃないかなって。
ダンプリが世界に見つかったことは嬉しいですが、ダンプリとしてはもちろん、プリパラとしても今後の展開が良いものになることを願っています。
最後に
ダラダラと書いてしまいましたが、WITHはキンツアで、これまでの積み重ねと元々持っていた魅力を思いっきりぶつけてきた。だからここから好きになるのはなんにもおかしくない。そう言いたかったんです。
ここまで読んで「直接WITHと関係ないのに必修なもの多くない!?そこまで追えるか!」と感じた方もいるかもしれません。それが普通です。
何度も言うけど、我々が女児アニメにしがみついた結果、こうなっているだけなので……。
だから、ふらっとキンツアを見て「WITHってユニットかっこいいな〜」程度で終わってもいいんです。楽曲はサブスクでよく聴いてるよ、とかグッズあるならちょっとだけ買っていこうかな、とか、そういうゆるい楽しみ方でいい。……それが普通では?
ハマった勢いで「プリパラ全部見てみようかな」とか、「ライブ行ってみたいな」と思った方は覚悟を決めてください。これまで出たものを履修するのも、リアルタイムでこの先もあるかわからない供給を追いかけていくのも、かなり骨が折れるでしょう。
でも、プリパラという場所とプリパラアイドルという存在は、他では味わえない“アイドル”の形を見せてくれるはず。
WITHをきっかけにプリパラの世界に触れて一緒に楽しんでくれたら、いちオタクとしては嬉しく思います。

