PRINCE OF LEGEND を再履修してみた

PRINCE OF LEGEND を再履修してみた
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群馬に遊びに来てくれたフォロワーさんとキンツアを観に行ったとき、時間が余ったのでドラマや映画のロケ地巡りをしました。群馬県庁を前にあんな大はしゃぎしている人を初めて見た。
そのとき、群馬県庁がロケ地であるPRINCE OF LEGEND(プリレジェ)の話題が出ました。

数年前、ハイローにハマったときに流れでドラマは見たものの、劇場版までは履修できておらずそのままになっていました。そのフォロワーさんによる熱い布教を受けたのですが、「キューン♡」とか、女の子をいちばんときめかせたら優勝的な選手権とか、
「え? なにキンプリの話してる?」
とガチで混乱しました。

シリーズ完全初見というわけでもないし、エリートとしての目線で鑑賞したら面白いんじゃね!?と双方に失礼なことを考えながら再履修を決めました。
なお、続編の『貴族降臨』に関しては「見なくていい」と言われたので今回は見ていません。※ハイローに出てる俳優さんが多いので気になってはいるんだけど……

目次

久々に見たプリレジェに対する所感

あらすじは至ってシンプル。

伝説の王子を決める選手権がついに開催!

出場予定の王子達はヒロイン・成瀬果音とラブや因縁があったりなかったり……。
少女漫画や乙女ゲームにありそうな設定。特筆することはなし……と言いたいところだけど、「伝説の王子」ってなんだよ。説明はあったけどよくわからない。なんなんだよ。

そういや「頭空っぽにして見てください」と言われましたね。
まぁあの紫京院ひびき様も“最高のプリンス”というよくわからん称号を持ってるからね。そういうやつなんでしょう。

タイトルの響き&女の子をキュンキュンさせたら勝ちっていうノリはKING OF PRISMに近いな〜と思います。
でもあれは一応スポーツの大会なので、アイドルの人気投票みたいなやつとはまた違うんですよね。

いきなり劇場版から視聴してみた

主要キャラの顔見せ編であるドラマ版は全部見たし、いけるだろ!と初見の劇場版から視聴することに。このために久々にHuluに入った。

全員クセが強いビジュアルなので覚えやすい。最後に見たの何年前?って感じなんですけど、「いたわこんな奴」と意外と覚えていたことにびっくり。

ただ、やっぱり細かいところを覚えてない!ヒロインと王子達の因縁とか、王子達同士の関係性とか、劇場版でも解説はあるんだけどドラマで復習しておいた方が物語に入り込めたかも。

あと、劇場版が90分しかないことにめちゃくちゃびっくりしました。あれだけキャラを出しておいて完結編は90分しかないんだ。キャラが多くても消化不良にしないために、ドラマの方で掘り下げる構成にしたのかな。

中盤であっさり王子選手権が終了して拍子抜けしました。奏と果音の和解をじっくりやる方がラブコメとしては正しいのですが、やっぱりイケメン達がわけわからんことしてるお祭り的な絵面が好きすぎるのでもっと見たかったです。
なんだあのアイドル大運動会は。なんなんだあの配信系のバラエティみたいな進行は。

トンチキ絵面はめちゃくちゃ良かったので、劇場版ならもっとキンプリみたいなわけわからんお祭り映画として振り切れてもよかったんじゃないかな……と思います。

『プリレジェ』と『キンプリ』の共通点

どちらも、スタッフが女性向けをよくわかってないが、女性向けとしての需要を汲んで頑張って作ってくれた女性向けコンテンツの味がします。

スタッフは絶対「男の子ってこういうのが好きなんでしょ!?(爆発!喧嘩!大立ち回り!)」みたいなやつの方が得意なんですよね。劇場版プリレジェもそれを感じました。

とくに、アクション対決シーンのアクションとスタントの気合い入りっぷりがラブコメ映画のそれではなくてめちゃくちゃ良かったです。1人で数人を吹っ飛ばす大立ち回りとか、階段を転がるモブとか。あの『HIGH & LOW』を生み出したLDHなだけある。完全にこっちが本業だろって感じでした。
それでいて、全くゴア表現がないのもプリレジェならではだな……と思います。ハイローは痛そうでちょっと……って人も喧嘩が強いイケメンの良さを感じてもらえそうで嬉しい。

あと、なんで「キューン♡」と“壁ドン”の方向性がキンプリと被るんだ。もっと正確に言うと、少女漫画定番要素であるこれらをちゃんとしたイケメンがトンチキ全開でやるところまで同じ。そんなのオバレしかやらんだろ……みたいなことを若手の人気俳優陣が大真面目にやってくれるの凄すぎませんか? 俳優さんのファンはどんな顔でこれを見たんだろう。

初見時は気づかなかったのですが、かなりハイロー(ザワ)に出ている俳優さんが多いですね!?どっかで見たことある顔だな……と思った人だいたいハイローにもいました。

ドラマもサラッと走ってみた

やっぱり劇場版だけだと細かいところが思い出せず咀嚼しきれていない気がしたので、ドラマ版もサクッと視聴することに。うん、一人一人の解像度が上がった方が楽しいですね。

個人的に好きなのは京極兄美容師のお兄さんです。
京極兄は個人的にはあんまり不良感ないけど、好きな子に対して真っ直ぐなところがキラキラしてて素敵だなって思います。素直になれない気持ちと本当にムカつく気持ちで揺れている奏様との対比にもなってる気がします。
美容師のお兄さんは大抵の女性を恋愛対象として見られるからこそ、彼にとっての“特別な女の子”は一切そういう目で見られない相手になる……というのが深いなぁと感じました。大人だから女子高生には手を出さないとか、興味ないとか、そういう理性で抑えている展開じゃないんですよね。“妹のようなもの”で“守る対象”だと思ったから、という素直な気持ちから来ていて、遊び慣れた大人という属性から考えるとピュアだな~と思います。

主人公達の立場についてよく知ったうえで見ると、ラブコメとしてはファンタジーだな……と思います。世界観や設定とかじゃなくて、恋愛部分が。
超セレブゆえに貧乏人の感覚が分からない奏と、天涯孤独の苦学生である果音。現実においては住む世界が違いすぎて出会うこともないでしょうが、もし結ばれたとしても生まれ育ってから見てきた景色と価値観が違いすぎて上手くいかないだろうな……と。そこは少女漫画の優しい嘘だな〜と思います。

あと、視聴者の需要として教師や近所のお兄さんといった大人属性も出してるけど、ヒロインに手を出さないところに良心を感じます。こういうところでストレスを感じたくないので助かります。兄貴面でマウント取ったり、王子選手権のキーパーソンとして警戒したり。安易にラブコメ展開に持っていかないからこそ、果音を取り巻く人間関係に深みが出るんですよね。

ヒロインだけど引き立て役?

改めて見てみると、果音のキャラ付けも興味深いな〜と思います。

構図としては主人公ではあるんですけど、果音は恋愛する気がない。背負っているものを考えても恋愛どころではないんですよね。果音という人間の掘り下げを行うにあたって、王子たちとのラブは必須じゃない。

劇中の立ち回りとしても、理事長の思惑もあって王子達を焚きつける役割をこなしている。少女漫画の主人公として我々が自己投影する対象じゃなくて、王子達の見せ場を作るための舞台装置として描かれている……そんな印象を受けました。主人公なのに引き立て役。おもしろいですね。

イケメンをずらっと並べるタイプの少女漫画系ラブコメって、“イケメンを鑑賞する映画”としてナメられがちじゃないですか。だから「それだけじゃないよ」とアピールできるよう工夫を凝らします。ホラーやミステリ等のまったく違うジャンルを掛け合わせたり、逆に人気の少女漫画や質の高い恋愛小説を原作にして話題性を確保しながらラブコメ部分に力入れたり。
でも、プリレジェはこれを理解したうえで開き直って、全力でイケメンを楽しむ映画としてエンタメに仕上げています。それが王子選手権であり、この独特のトンチキなノリを生み出したのかもしれません。

最後に

改めて視聴した感じとしては、ラブコメにときめくというより、イケメンを眺めつつトンチキを楽しむ作品って印象でした。こういうところはキンプリに通じるものがあると思います。突き詰めると愛の話なんだけど、表面的なワクワク感を楽しむお祭り作品でもあるというか。

個人的には物騒な映画が好きなのもあって、LDH主導のドラマならハイローの方が好みかな。

プリレジェ、興味のある方はぜひ見てみてください。Huluに配信あります。

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